ハマオレ(旧暦4月)
サンガツサンチ(旧暦3月3日)
みんなで浜へ出て潮干狩りをする。浜に出ないとクゥーフー(フクロウ)になる,と言われているらしいが,仕事のせいか近頃ではあまり出ている人を見ない。フツ餅(餅米の粉・黒砂糖・よもぎ・少々の薩摩芋を混ぜて作る餅)を作り,それをゲットウ(=サネン)の葉でくるんで,みんなにふるまわれる。
ホゾモチ(三角形の餅)というものも作られるらしいが,フツ餅と形が違うだけなのか,全く別物なのか,このあたりがよくわからない。
浜下れ
甲子(キノエネ)の日(寅か申の日の説もある)に行われる家族全員で浜に遊びに行く行事。もちろん元は単なる遊びではなくて神を奉る行事。この日は「働くとネズミに何でも食べられてしまう」とか「浜に出ないとクゥーフーになる」とか「煙を出してはいけない」などという決まりのきびしい日であった。昔はみんな仕事を休んで浜に下りていたらしい。害虫駆除と豊年の日だと言われており,田畑の害虫を捕り,海に流し捨てる。内容がサンガツサンチと共通することも多く,元々別の行事がごちゃ混ぜになってしまったのか,元々1つの行事が分かれてできたのか興味深いところである。
ゴガツゴンチ(旧暦5月5日)
ご存知,端午の節句(=菖蒲の節句)。この日は浜下れと違って遊びの日ではないので,仕事は休まない。菖蒲を軒下につるし,ガヤマキ(茅巻き チガヤに包んだ餅)を作り柱に飾り厄よけを行っていた。カシャ餅(バショウやサネンの葉でくるんだ餅)やアクマキ(木灰の上澄み液で煮た餅)を作り,みんなにふるまう。
昔はこの日に舟漕ぎ競争をしたそうだ。沖縄ではその名残で新暦のこの日にハーリーが行われている。しかし現在奄美では夏に行われている。また,場所によっては闘牛もしていたらしいが,今の大島では見られない。ゴガツゴンチは何かと沖縄の影響が見受けられる。
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